MetaMe初の帯番組、らいぶらの誕生秘話と今後の構想とは?
NTTドコモの最新技術を活用したメタコミュニケーションサービス「MetaMe」。その中にあるライブハウス空間「MetaMe生放送(めたなま)」で、今年の5月から始まったのが、新レギュラー帯番組「らいぶら」です。
VTuber、アイドル、アーティスト、声優など、業界の垣根を超えた多種多様なタレントが出演し、ユーザーとの交流やコミュニケーションを通じて、新しいエンターテインメントを追求する本番組。今年の9月には、7月に行われた「南の島」イベントに続き、2回目のオフラインイベントも行われ、大きく盛り上がりましたが、このMetaMeを代表するコンテンツの1つともなった番組はどうやって生まれたのか。そして、実際の反響やこれからの展望は?
今回は番組に出演する「かぶぬし」さんと「カミナリコゾウ」さんに実際にインタビューし、お話を聞きました。
らいぶらスタートのきっかけと目的
ーーらいぶらという企画は、どのような背景や意図から生まれたのでしょうか?
かぶぬし:MetaMe内、メタバースの中でもっと楽しめることを作るというのが課題でした。MetaMeに来ても、人はいるけどやることがない…。という風にならないように、毎日できる番組が欲しかった。そういうのもあってできたのが「らいぶら」です。
カミナリコゾウ:立ち上げの部分ではそれもそうだし、メタバースの中に新しい仕事を作りたかったんですよね。今の子供達ってXとかTikTokとかを見て「こんな人たちいないでしょ」って思ってるし、嘘ばっかりのインターネットの世界に嫌気が差している人が結構増えていってるんです。なので、信用性のあるブランドが空間を区切って、そこで情報を出していくっていうようなことが必要になってきているのかなと。
ーー確かに。今って情報が有象無象ですもんね。
カミナリコゾウ:あとは理想論なんですけど、実際にお店に行ったりとか、リアルで人と会ったりするのは、本当はプライベートだけにした方が人生にとってプラスになるんじゃないかなって。なので、逆に仕事を全部インターネット上で完結させて、メタバースで仕事を構築できれば、価値観の逆転が可能なんじゃないかなと。
今ってプライベートを投げ打って仕事している人が多いじゃないですか。大事な人と会うよりも、仕事仲間と会ったりする時間が長かったりとかするのが現実。それを逆転できるのがメタバースかなと思っていて、そこの企画をできたらいいなと思いました。
ーー価値観の逆転…!それができたら確かにすごいですね。プライベートがすごく充実しそうです。
カミナリコゾウ:らいぶらの最初は月に4~5回配信するだけの予算だったんです。でも予算はそのままに、技術スタッフを減らすことで、毎日配信することにしました。初めの方は慣れてないうちは事故が起こっちゃうかもしれないけど、それでも毎日やった方がいいなって。いろんな人の理解と工夫があって、今毎日やらせていただいてますね。早く一般の人たちに、ここMetaMeを仕事場として活用してもらえるようにしてもらいたい。
かぶぬし:最終的に人が居着くには経済活動が行われないといけないんですよね。そこに居続ける意味がないので。「らいぶら」は当初の企画段階から2027年の姿を見据えていて、一応今の配信は最初のフェーズとしてやっています。今、「らいぶら」ではNFTの販売もやっているんですけど、例えばお客さんがそのNFTを売ることによって、さらに経済が回るというのも今後はさらに発展していけばいいなと思っています。
ーーメタバース空間が“遊び”から“仕事”へ…!
カミナリコゾウ:あと、MetaMeに入れる人間はみんな信用があるっていうような状況を目指したいんですよ。ファンの方が「憧れだった声優さんにトークショーをやってもらいたい」って思ったら、社会人としてある程度経験があって、きちんと信用があれば、企画書を立てて正式にオファーすることが出来るっていうのもメタバース内だと可能なのかなって。
ファンのニーズが高いもの、いわゆるファンが起こすイベントとかって企画者は僕らじゃなくてもいいんです。アメリカのコミコンも、最初はファンが立ち上げたものだから、有名な俳優さんがでてくれたし、ニーズもあってあそこまで大きくなった。
なので、安全で信頼のあるメタバース内でもそういう企画の立ち上げができて、立ち上げた人にお金が入れば、仕事として成り立つ。そういうところでの経済活動になっていくんじゃないかなと思ってます。それが目標であり、課題で、難しいんですけどね。
お客さんの反響は?これから課題も
ーーらいぶら企画を始めてから、実際にはどのような反響がありましたか?
カミナリコゾウ:熱中してくれてる人はいるし、NFTのことについて知るようになった人が増えたことは少し実感としてはありますね。生配信っていう立ち位置はファンサービスなので、これからもっと外の企業さんとコラボしたりとかしていろんな作品を作ることで、新規のお客さんを取り入れていこうとはしています。
かぶぬし:配信は毎日やってるので、Xなどで見てくれている人の反応は当然見えてくるんですけど、これは基本的にすごく好評ですね。これが実際にもっと広まっていくっていうのは、カミナリコゾウさんがいったように、外の企業さんとコラボしたりとか、いろんな企画をする中で実現していくんじゃないかなと。どこかでお客さんが「面白い番組がある」ということに気づいてもらえるまで、継続的にやっていこうと思ってます。
カミナリコゾウ:初めてやるものって反響がいいので、MetaMe以外で封切りした時も生配信の同時接続が1万8000人くらいいったんです。でも、毎日やってるとやっぱりみんな慣れて出ていっちゃう。今はいい意味で落ち着いてきているので、さらに魅力的でのびしろたっぷりな遊びを用意しつつ、MetaMeの配信を安定させることに注力することで、お客さんが本当に楽しく入場できるかなと思ってます。
ーーまだまだ課題もあるんですね。ちなみに実際のお客さんからの反響で印象に残ってるものはありますか?
カミナリコゾウ:喜びの声とクレーム、両方ですよ。クレームって言っても、大きなクレームじゃないですよ。ちょっとここはこうしてよっていう軽い感じの愚痴というか。例えると街の団子屋をやってる気持ちなんですよ。美味しかったよって言われたりとか、この商品はちょっと違うでしょって毎日いろいろな人に言われるような感覚です。応援のメッセージも喜びの声も、クレームも、心にとめています。関心や興味を持ってくれてるのがそもそも嬉しいですし。
ーー9月にはオフラインイベントとして「らいぶららいぶ うそつき天国ターボ」も開催されましたね。これにはどういった意図があったのでしょう。
かぶぬし:メタバースとリアルを連携させるというのは当初の構想からありました。歌やグッズが番組からは生まれてくるわけなんですけど、それが一つ結実する場所というか、形づくられる場所といったところで、オフラインのイベントは企画していたんです。
カミナリコゾウ:成熟してきたらNFTだけでチケットを売ったりもしたいんです。NFTって価値が下がりにくいというか、紙切れにならないじゃないですか。なので、今までイベントを10公演やったとしたら、3公演行ってる人には他のNFTや限定のNFTをプレゼントしたりしたい。理想はライブに行って儲かること。
ーーライブに行ってむしろ儲かるって新しい発想ですね。
カミナリコゾウ:3公演行った人しか手に入らないNFTが欲しいんだって人に転売して儲かる人が出てきたりとか…。消費的な推し活ではなくて、投資的な推し活がメタバースでは出きる気がしているんです。
推し活で月に5万、10万円使うって結構な消費じゃないですか。でもそれが、今言ったような投資的な推し活だったら、“ライブを楽しんだ上に3万円儲かった”ということもあり得る。そうなればいいなって思ってやってます。
ーー今後もこういったオフラインのイベントは企画していくのでしょうか。
カミナリコゾウ:3月には「ねながらいぶ」っていうイベントも企画してます。アイドルがベッドから出てこない幻のライブ。虹のコンキスタドールの中村朱里ちゃんが生配信中に「リラックスしてライブをやりたい」「例えば、寝ながら」って言ったのをふくらましてこうなりました(笑)
実現したい未来とMeteMeの成長
ーーMeteMeやらいぶらの今後の構想みたいなものはあるんでしょうか?
かぶぬし:今計画していて、来年に向けて動いていくということで言うと、有料のスクール。メタバースの中で仕事を作るみたいなところにも繋がってくるんですが、自分でVTuberであったり、配信できる人材を育成していって、そういう人たちがMetaMeに限らず、配信であったりとかあるいはVTuberみたいなところで実際にお金を作っていける、稼いでいけるみたいな世界観がまず作れていけたらなと思っています。
カミナリコゾウ:そのためには、外側だけの“できそうな人”じゃなく、しっかり学んだ中身の“できる人”でないといけない。ジョギング始めるのに、服とか靴とかだけ揃える人がいると思うんですけど、そうじゃなくて、最初に“ちゃんと走ること”を教える、デザイン、配信技術、機材、全部ちゃんとできる人を育てるスクールを作りたいなと思ってます。
ーーMeteMeで“仕事”に対する価値観を変えようとしているのがすごいです。
カミナリコゾウ:MeteMeやらいぶらで、みんなが目指せるものを生み出したいと思ってるんです。今は有名な人たちの力を借りて一般の人たちに集まってきてもらってるんですが、今後はMeteMeならではの有名な作品を生み出したい。そういうのを生み出して出演してもらうことで、演者も更なるステップアップができれば嬉しいですよね。だから、今出演してくれている人たちよりも有名な作品を作らなきゃいけないし、それが今頑張らなきゃいけないことかなって思ってます。
ーーなんだかワクワクする仕事の構想ですね。
カミナリコゾウ:かぶぬしとも話しているんですが、“未来を描く大人が減りすぎた”っていう。ドラえもんちゃんとかアトムちゃんとかみたいな、“こういう楽しい世界が待ってるよ”みたいなことを描く大人が減っちゃったので、そこは僕らの仕事かなと思いながらやってます。遊んで暮らせるぞって子供たちに言ってやりたい。そういう世界を提案、未来として書いていきたいなって。
かぶぬし:本当にそうですよね。
カミナリコゾウ:今の世界のルールは、今までの人が描いた未来で、僕らはそこで生まれた子供としてそれを受けたわけですけど、次は僕らが未来を描く番。その未来を、次の子供たちに見せてやりたい。なので、MeteMeがやることは、未来を描くことですね。理想の社会とか未来を描く場所になるといいなと。
ーー素敵です。では、最後にメッセージをお願いします。
かぶぬし&カミナリコゾウ:「らいぶららいぶ2」お楽しみに!絶対来てね!
1、2、さよならダー!!!
ーーありがとうございました!